公立の教員不足に拍車がかかるおそれも!?そのワケとは

 無償化で大阪の高校は今後どうなっていくのでしょうか。“良い未来”と“悪い未来”について、清水さんの見解は以下の通りです。

 【良い未来】
 ■公立・私立で競争し教育の質が向上
 ■大阪全体に適正数の高校が残る

 【悪い未来】
 ■公立教員の負担が増え教員不足に拍車
 ■辺境の公立がなくなり通学や過疎の問題に

 公立の教員不足に拍車がかかることについて、清水さんは次のように述べます。

 (清水章弘さん)「私立は生徒募集などに力を入れていて、塾まわりをしないといけない先生もいる。公立は教育委員会の方針に従う形ですから、求められているものが違う。今後、私立と公立が切磋琢磨、競争していきましょうというときに、公立の先生に生徒募集の業務を求めるとなると、普段やってきたことと違うため、公立の先生になりたい人が減ってしまうのではないかと予想しています」

 高校が集約されて数が減れば、教員も一部の学校に集約されるため、教員不足が改善されるのでは?という疑問に、清水さんは「校長など管理職の人数は減らせるかもしれない」とした一方で「教員は生徒数によって配置されているため、現場の教員の人数は大きく変わらない」という見解を示しました。

 また、公立高校が1校しかないような辺境エリアの自治体では、その高校がなくなってしまった場合に、通学などの問題で子育てがしにくくなると指摘。それにより働き盛りの世帯などの人口流出が起きて、過疎の問題につながるのではないかということです。