新幹線開業と時を同じくしてオープンした、「金沢彩の庭ホテル」。開業2年目までは、夏から秋を中心にほぼ満室状態でしたが、その後はいわゆる「お宿バブル」の余波が見られたといいます。

金沢彩の庭ホテル・中村明仁支配人
「3、4年目は、やはり金沢エリア全体の客室数が本当に『飽和状態』といいますか。開業前からほぼ倍近く増えている印象があったので影響はありましたね」
北陸新幹線金沢開業の2015年から、金沢市内のホテルや旅館の客室数は、およそ1・4倍に増加。新型コロナが猛威を振るった2020年以降も、その数は伸び続けました。

一方で、宿泊客の増加を上回る形で客室数が増え続けたため、稼働率が5割程度以下と客室がだぶつく状況に。いわゆる「供給超過」にコロナ禍で拍車がかかり、集客をめぐるホテルの競争は、今もなお続いています。

こうしたなか「金沢彩の庭ホテル」では、他のホテルとの差別化をはかるため、新たな取り組みに舵を切りました。
「こちらが、8名様に利用いただける『ファミリールーム』でございます」
ホテルの大規模な改装。宿泊客の満足度を高める戦略の一つです。

金沢彩の庭ホテル・中村明仁支配人
「家族やグループにより楽しんでもらえるようにと。3世代のおじいちゃんおばあちゃんが、これまで2部屋で分かれての宿泊だったのが、1部屋で過ごせるということで好評いただいている」
金沢彩の庭ホテルでは、宿泊客を取り込むために新たな観光ビジネスにも挑戦。ホテルを発着地として兼六園やひがし茶屋街を巡るバスツアーも始めました。
金沢アドベンチャーズ・統括マネージャー山本幸人さん
「内装は、バスのシートを改装して15人乗りに。開業の数年後から旅行会社を設立し、貸し切りバス事業に参入した」

神奈川から訪れた利用客は…
「雨の中公共交通のバスで移動して、きのう金沢城見たんですけど…(自力で周ると)疲れる(笑)。やっぱりツアーバスで行けるのは魅力ですよね」