このほど、自民党総務会メンバー入りの石破茂元幹事長。それを受け、「平穏」だった総務会は一気に「緊張の場」へと変化し、話題を振りまいています。その石破氏が、村上誠一郎氏の「国賊発言」問題、岸田政権の「支持率急落」、「長男の秘書官起用」問題、旧統一教会「解散命令請求」問題、グアムまで届く「北ミサイル」などについて熱く語ります。

(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)

■「みんながイエスマンになっちゃったら自由民主党ではない」


ーー村上誠一郎元行革大臣が安倍元総理について“国賊”などと発言したと報じられ、党役職1年停止の処分を受けたことについては、どうご覧になりますか。


自民党 石破茂 元幹事長:
村上さんね、同じ昭和61年の当選同期でしてね。彼ほど自民党を愛している人はいないと思いますよ。ずっと小選挙区で通ってきた人ですよね。だから、当選同期はもう逢沢(一郎)さんと村上さんと私と渡海(紀三朗)さんしか残ってないんですけど。その非常にね、私と考え方違うとこがたくさんあるんだけれど、見識が高くって愛国心が強くって。それはいろんな見方があるかもしれないけれども、言うべきときに言うべきことを臆せず言っている。そういう意味で、私にとっては尊敬すべき友人なんですよね。

「国賊」っていう表現を本人は「記憶にない」って、なんか村上さんらしくないことを言うんだけれども、言っているし。朝日新聞の取材ですか、これ。

ーーそうです。あと、通信社も1社合流したと。

自民党 石破茂 元幹事長:
朝日新聞にこの記事出た?

ーー処分が出てから記事が出ています。

自民党 石破茂 元幹事長:
そうなんですか。多分ね、これオフレコだったと思うしね。書いていいことと書いちゃいけないことがあるのよね。そこはどうだったんだろうってことはあるんだけど。ただ、村上さん本人が撤回し、お詫びすると言ってるんだから、多分言われた(発言はあった)んでしょうね。

先ほど申し上げたように、総務会メンバーってのは執行部そのものじゃないわけですよ。執行部が決めたことに対していろんな意見をするのであってね。「国賊」という表現は大変悪かったと。申し訳なかったと。お詫びはあってしかるべきだし、あった方が良かったと思う。だけども、党のやり方について、表現が過激だったか知らないけれども、みんながイエスマンになっちゃったら、それは自由民主党ではないところがあってね。もっと別のやり方があったのかもしれない。

私は党紀委員会のメンバーでももちろんないから、そこでどんな議論があったか知らないんで、軽々に断定はできないんだけれども。もっと別のやり方も選択としてはあったし、村上さんにしてみても、そういうような発言があったのであれば大変申し訳なかったと、事前に。謝罪って言い方はどうかとは思うけれど、まあ謝罪でしょうな、お詫びするって本人が言ってんだから。そういう会見を開くとかね。またいろんなやり方はあったんだと思うけど。これしかなかったかなっていう感じはします

ーー安倍派が怒るのはわかるのですが、その後の対応はどうご覧になりますか。結局は総務会に出れない形になったと。

自民党 石破茂 元幹事長:
その遠藤(利明)総務会長がね、これから先も村上さんには自由に発言してもらいたいと。自由闊達な議論があるのが自民党だというふうに総務会長が言ってますがね。やっぱり村上さん、こんなことで「びびる」人じゃないんで。きちんと山口まで行ってお詫びをすると言ってるわけだから、そういうけじめをきちんとつけたうえで、やっぱり言うべきことは言う。村上さんみたいな大ベテランが物言わなくなっちゃったら、それは党は危ないですよ。

自分の気に入らない発言だから、つまり、安倍派がお怒りになって、そういうふうな対応を求めるってのは、それはことの成り行きとして当然なんでしょう。だけど、これから先も物を言うなということではないはずだし、やっぱり、村上さんの経歴、経験、そして見識。これ、自民党にとって必要なものだと私は思いますが。賛成反対は別として。