YouTubeチャンネルの運営とターニングポイント

野村:
YouTubeチャンネルを立ち上げた当初は、多くの配信者が苦労するように、試行錯誤を繰り返していたのでしょうか。

衣川:
そうですね。ただ、YouTubeに関しては、私はあまり関与していません。私は資金調達に注力し、面白い企画はQuizKnockに携わるメンバーが考えています。

当時は、主要メンバーであり、出演者でもあるふくらPや河村(拓哉)が面白い企画を提案し、伊沢がそれを面白く話すことでコンテンツが生まれていました。そのために何十個も企画を出し合い、どれが面白いかを検証しながら進めていました。
その流れは今も続いています。QuizKnock立ち上げ当初は10人ほどのメンバーでしたが、今では100人近いメンバーが活躍しています。

メンバーは本当にクイズが大好きなので、仕事が終わった後もみんなでクイズをしているくらいです。見ていておもしろいし、すごいなと感じています。

野村:
まさに趣味と仕事が一体化しているのですね。

衣川:
そう言われると経営者としては推奨しづらい部分でもありますが(笑)。
一方で、クイズを作るために積極的に知識を集めて、それで遊び合う光景は、好奇心の塊です。そのような形で学ぶことや、知識を得ることを楽しんでくれる学生が増えたらいいと感じます。

野村:
QuizKnockにとってターニングポイントとなった出来事はありますか。

衣川:
伊沢を含め、2019~2020年とQuizKnockのメンバーがテレビなどのマスメディアに出演するようになったことが大きかったと感じます。『冒険少年』などに出演させていただいたことで、YouTubeでは届かなかった小学生やその親の世代にもリーチできるようになったことが後押しになりました。

野村:
2019年には、伊沢さんが「QuizKnock」という会社を立ち上げましたね。

衣川:
「株式会社QuizKnock」はマスメディア関連の事業を管理する会社です。メディア出演についてはメンバーが所属するワタナベエンターテインメントさんを通して営業していますが、会社を立ち上げて伊沢が表に出ることで、よりスムーズに進められるように切り分けました。

野村:
なるほど。それはどのような意図があったのでしょうか?

衣川:
彼には経営者としての視点を高めてほしい、より大きく成長してほしいという思いがありました。彼自身にとっても良いミッションになると思い、お願いしました。

野村:
結果はいかがでしたか。

衣川:
すごく変わりました
。彼は以前から広い視野を持っていましたが、問題意識の捉え方や会社・組織としてのあり方を語れるようになりました。彼は様々な現場で経営者やビジネスパーソンと話す機会が多いので、そのような経験が彼の成長に繋がっているのだと感じています。