能登でも「関係人口」拡大の兆しが…

地震と豪雨の爪痕が残る石川県珠洲市・大谷地区。

人口流出が進む中、復興の担い手をどう確保していけばいいのか。重政辰也さんは、被災地支援を続けている高橋博之さんに相談していた。

高橋さん
「決定的にこれから人をどうするんだというのが一番大きな問題。定期的にボランティアに来てくれる人とか、頻度が違うけどいろんな人が大谷に関わっているじゃないですか。この人たちをシステムに落とし込む、地域づくりにも巻き込んでしまう」

2月、能登空港内の施設で復興について考える集会が開かれた。輪島や珠洲の住民、能登出身者など40人以上が集まり、中には重政さんの姿もあった。

輪島市で飲食店経営
「今、支援されて炊き出しとか物資をもらう、ものすごく言葉が悪いですけど『もらって当たり前』。ただし、これから能登が目指さないといけないのは、この1年間支えてくれた方々に対して、僕たちはこう立ち上がりました、自立しましたということを見せることを今後考えていかないといけない」

輪島市で鮮魚店経営
「(支援)してもらった分、僕も美味しい魚をみんなに食べてもらう。『次も来たい』とリピーターになってくれた。僕は人との繋がりをこれからも増やす」

東日本大震災を経験した高橋さんは、被災者にしか分からない言葉を能登の人たちに伝えた。

高橋さん 
「復旧復興も大変だったけどそれ以上に大変だったのは、復興予算が途切れて事業が終わった瞬間にみんな引いてって、いきなり寂しくなったことが耐えられないぐらい辛かったと話をしていた。支援する人・される人という壁を取り払うべきです。関係人口が担い手として、復興後の地域の活性化に繋げられる」

能登でも「関係人口」拡大の兆しが見え始めている。

能登町出身 石川・小松市在住
「毎週毎週、今日も小松から来て、二拠点の関係人口のうちの1人ですし、そういう人を増やしながら人と経済を回していく、自立を促していくことがこれから必要なんだろうなと」

東京から参加した大学生
「東京生まれ・東京育ちなんですけど、能登が好きだなと感じる瞬間が多くて今も通い詰めています」

重政さんは今後「地域の外の人の力」も借りながら地元の復興に繋げていきたいと考えている。

重政さん
「珠洲だけでも、やっぱり自分たちだけでもできない。もっと地域に落とし込んで、僕ら1人1人がポロッと出た一言とか、そういうのを吸い取って、その人たちの思いを形にしたりとか、その地域で過ごしたいと思えるようにしていくことが大事なのかなと」