交通事故や犯罪で亡くなった被害者の等身大パネルを通じ、命の重さを訴える「生命(いのち)のメッセージ展」が開かれ、遺族がそれぞれの思いを伝えました。

大学に入学後…暴走車に奪われた19歳の命

3月1日と2日に大分県庁で開催された「生命のメッセージ展」。会場に並ぶ人型のパネルは、交通事故や犯罪などで突然命を奪われた被害者の等身大で、その足元には、“生きた証”として靴が置かれています。

また、『メッセンジャー』と呼ばれる等身大パネルには、一人ひとりの写真と家族からのメッセージが添えられ、命の大切さを訴えています。

いのちのミュージアム代表理事 鈴木共子さん:
「亡くなった当時に履いていた靴のほか、新品を購入したり、今の年齢にあわせて変更したり、いろいろな方がいます」

開催前日。会場の準備のため、大分被害者支援センターをはじめ、全国各地から遺族が集まりました。このメッセージ展を立ち上げた美術家の鈴木共子さんもその一人です。

鈴木さんの一人息子、当時19歳の零さんは、2000年に神奈川県で飲酒運転の車にはねられ、一緒に歩いていた友人とともに帰らぬ人に。早稲田大学に入学したばかりの4月9日の出来事でした。

鈴木共子さん:
「息子は友だちと2人で歩いていたところ、後ろから飲酒、無免許、無車検、無保険運転の車にはねられ、即死状態でした。悪質なドライバーに対して刑罰が重いと思っていたんですが、最高刑5年の業務上過失致死罪で、息子たちのケースは3年位と言われ、当時は怒りを感じました」

その後、鈴木さんは署名活動を開始し、2001年に初めて「生命のメッセージ展」を開催。これまで学校や刑務所など全国各地で実施し、去年は国会内でも開かれて当時の岸田総理も視察しました。