近年、かつてない頻度で大雨や地震などの自然災害が発生しています。避難生活を強いられる状況下で私たちを脅かす、ある”隠れた危険"をご存知でしょうか?
長時間の窮屈な姿勢によって引き起こされる「エコノミークラス症候群」。飛行機内だけの病気ではありません。災害の避難所など、日常生活の様々な場面でリスクが潜んでいます。

エコノミークラス症候群の意外なメカニズムから、具体的な予防法まで、専門家の知見を交えながら分かりやすく解説していきます。いざという時に備え正しい知識を身につけておきましょう。
2018年西日本豪雨で検診した医師が警鐘
新潟大学の特任教授で、医師の榛沢和彦さん。2018年の西日本豪雨で広島県内の避難所の小学校を訪れ「エコノミークラス症候群」の検診をしました。住民の血圧を測ったり、足にエコーをあてたりして、血栓の有無を調べていました。

避難所などの狭いところで生活していると、ふくらはぎの静脈に血の塊=血栓ができやすくなります。血栓は徐々に広がり、骨盤のあたりに達することがあります。