年収「103万円の壁」をめぐる、自民・公明の与党と国民民主党の税制協議が行われました。自民党は、年収に応じた新たな引き上げ案を示しました。私たちの手取りはどうなるのでしょうか。

80代
「お米は一番、目に見えて高くなった」
10代 学生
「自分の家の周りにスーパーが何軒かあるので、『あっちの方が安かったな』となったら戻ったりして買っていた」

値上げラッシュの一方で、私たちの手取りは増えるのか。その議論が佳境を迎えています。

新年度予算案の焦点となっている年収「103万円の壁」。自民・公明の与党と国民民主党が引き上げに向けた協議を行ってきましたが、「178万円」を主張する国民民主に対し、政府・与党が去年提示したのは「123万円」。溝は埋まらず、議論は暗礁に乗り上げていました。

40代
「いま時給も上がっていて、すぐ(壁を)超えそうになってしまうので、こんなに物価が上がっているのに厳しい。(123万円では)少ない金額だと思う」
10代 学生
「178万だと、結局130万を超えたら健康保険料を払わないといけない。123万円でもいいんじゃないかと思う」

きょう、およそ2か月ぶりに再開された協議。自民党が新たな案を持ちかけました。その内容とは。

年収200万円以下の人については、これまでの123万円から「160万円」まで引き上げ。さらに、年収500万円以下についても今年と来年に限り、「133万円」に引き上げるとしています。

年収に応じて段階的に引き上げる新たな案について自民党は。

自民党 宮沢洋一 税調会長
「生活保護・最低賃金等々、大変厳しい方々に対する特例といった考え方を新たに加えたというふうにご理解していただきたい」

街の人は。

20代
「年収って人それぞれなので、その人それぞれに合った(控除)額にするのはいいなと思う」
「ちょっとモヤってする人が減るのかなって」

と、好意的に受け止める人がいる一方で…

10代
「(年収)500万円って正直そんなに余裕があるわけではないと思うので、ラインの根拠みたいなのがないと不平等感は残ってしまうのかなと思う」

疑問を感じる人も。

国民民主党の古川代表代行も、自民案は「物価高で苦しむ国民生活に寄り添ったものではない」と受け入れませんでした。

国民民主党 古川元久 代表代行
「ボールは返ってきましたけど、かなり暴投でキャッチできる球じゃないので、しっかりグラブに入る、そういうところにボールを投げてもらいたいと思います」

3党はあす再び協議する予定ですが、主張の隔たりは大きく、合意の見通しは立っていません。