コメの価格高騰はついに備蓄米が放出される事態になりました。「消えた21万トン」という報道もありましたが、政府の背中を押したのが「コメの生産量は18万トン増えたのに、JAなどの集荷業者が農家から買い集めたコメが前の年より21万トン減った」というデータです。
そこから浮き彫りになったのがJAがコメの集荷に苦戦していることです。産地で何が起きているのでしょうか?

こちらは、JAの定番商品、特別栽培米です。一般のコメより価格が高く生産者にも人気のコメですが、今年は参加を断る農家もいるそうです。コメ処の一つ安芸高田市で取材しました。
安芸高田市にあるJAの営農経済センターです。先週、市内の農家を対象に特別栽培米通称「こだわり米」の説明会が開かれました。

このコメは、農薬や化学肥料を通常の半分以下におさえて栽培したものです。コシヒカリの場合、JAの直売所で税込み4080円で販売されています。
生産者にとっても買取り金額が一般のコメより高いため人気で、安芸高田市では去年、23軒の農家が参加しました。しかしこの日、集まったのは10軒。中には、参加を断った人もいたそうです。
JAひろしま広島北部地域営農経済センター 鉄井義彦 課長
「今年はやらないって言う、ああいう感じですね。価格差の部分であったりとかですね、あとは作りにくさってところもありますので。さみしい話ですね」