「25%の関税固定化で自動車製造が1週間以内に止まる」日本メーカーにも影響のおそれ

ただ、この“トランプ関税”で打撃を受けるのは、アメリカも同じです。
カナダの名産品のメープルシロップを、たっぷりかけたパンケーキが人気のニューヨークにあるレストラン。
店のマネージャー
「店では毎週、大量のメープルシロップを消費します。価格上昇が続けば対応するのはとても困難」
25%の関税によって、メープルシロップの価格が上がれば、パンケーキの値上げも検討せざるを得ないと話します。
来店客
「関税は経済のプラスになりませんよね」

他にも、カリフォルニアロールなどに欠かせないアボカドは9割がメキシコからの輸入。
米国農務省(USDA)によると、アメリカが輸入する野菜の約半分がメキシコ産で、食卓を直撃しそうです。
アボカドの輸入業者
「(関税分を負担するのは)スーパーやレストランで支払う消費者でしょう。関税は良くない判断だと思います。輸入市場は混乱し、停滞するでしょう」
さらに、自動車の町として知られるミシガン州デトロイトでは…
記者
「アメリカとカナダの国境地帯です。商品を載せたトラックがカナダから次々と到着しています」

物流倉庫を訪れると、東京ドーム2個分の広さにカナダ製の自動車部品がずらりと並んでいました。
物流会社 ジョン・エバンス 社長
「トラックのバッテリーですね」
これまで関税がかからない利点を生かして、多くの自動車部品の取引が行われてきただけに、高額な関税の影響ははかりしれないと言います。

カナダ自動車部品工業会 フラビオ・ボルペ 会長
「25%の関税固定化で、アメリカ、カナダ、メキシコで自動車製造が1週間以内に止まる。消費者が新車を買おうと思った時には、とんでもなく高い価格に直面することなる」
さらに、影響は今後、カナダに現地工場を置く日本の自動車メーカーに波及するおそれもあります。
“トランプ関税”への警戒感に市場は反応し、3日の日経平均株価は一時1100円も下落しました。

国会では、7日にトランプ氏との首脳会談を控えた石破総理に質問が相次ぎました。
立憲民主党 岡田克也 常任顧問
「首脳会談でもこの(関税の)問題について、望ましくないということを主張すべきだと思うが?」
石破総理
「どのようにして合衆国の国益にかない、世界のこれからの自由貿易というものに対して影響を与えるかということは、我が国としてよく精査をしてまいりたい」
日本は、関税を盾に自らの要求を飲ませるトランプ氏とどう向き合うのでしょうか。