「子どもは腰痛にはならない」という思い込みは大人の勘違い

──子どもでも腰痛になってしまう場合はあるのでしょうか?

特に運動している子どもが腰痛になった場合には、「腰椎分離症」という病気になっていることが多いです。これは腰の疲労骨折です。小学生の腰痛は、保護者や指導者が「子どもは腰が痛くなることはないだろう」と思ってしまうようです。

しかし、実は子どもでも腰痛はあるし、「腰椎分離症」という病気はほとんどが子どもの時に発症します。

ですから、子どもが1週間以上続くような腰痛を訴えている場合にはレッドフラッグに該当しますので、整形外科を受診していただきたいです。早期に発見して治療を開始すれば大抵は治りますが、発見が遅れると骨の癒合が難しくなります。

保護者や指導者の方は、是非ともこの病気のことを頭の片隅に覚えておいていただきたいです。

──子どもの時は運動のしすぎに注意しなければならないということですか?

腰椎分離症の予防としては、準備運動をしないでいきなり運動をやることに注意が必要で、運動自体が悪いわけではないです。

特に小さな子どもの場合は、準備運動の意味や大切さがよくわからなかったりするので、準備運動をいい加減にやって、急に運動することが多いと思うんですが、そういう子どもは怪我をすることが多いです。

大切なのは保護者、指導者がしっかりと準備運動を指導するということ。その上で、運動のやり過ぎに関しては保護者、指導者が管理していく必要性があると思います。