世界で勝ち抜くために…

衛星の打ち上げ受注ビジネスにおいて日本が世界で勝ち抜くためにJAXAや三菱重工などが開発したH3ロケット。H3が目指すのは「低コスト化」です。

H2Aのロケットの打ち上げ成功率は98%と世界最高水準ですが、海外勢に比べコストが3割ほど高いことがネックでした。このため、H3は、従来の半分のおよそ50億円に抑えることを目指しています。

コストダウンの鍵は、機体をつくる愛知県の工場にありました。国家プロジェクトだけに機密事項の多い工場内部。

ロケットの組み立てに欠かせない、留め具の「鋲」です。これまでは人の手で打ち込んでいましたが、H3ではロボットが担います。

髪の毛の10分の1の大きさ、数ミクロン単位のずれも許されないロケット製造。必要な位置に穴をあけ、直径や深さを計測したうえで、鋲を打ち込みます。

ロケットの1段目と2段目をつなぐ接続部分に使われる鋲だけでも、2万3000以上。鋲を受け渡すロボットと、鋲を打つロボットが2台1組となり鋲を打ち込みます。

自動化によって作業にかかる人員は半分以下になりました。