急造チームでも「やるべきことをやり切ることができればいい勝負ができる」
各球団に集う選手たちは、その地方を代表するような選手たち。レベル感で言えば、実力のある中学生チームと対戦するようなものだ。質問を受けた選手の中には、不安げな表情に変わる者も、笑顔で待ち遠しいという気持ちを全面に表す者も半々くらいでいたのが非常に印象的だった。
10月からチームは本格始動。毎週末の練習はもちろん、10月後半頃からは練習試合が、ほぼ毎週のように組まれていた。しかも、相手は地元の中学生チームをはじめ、スワローズJr.やジャイアンツJr.といった決勝トーナメントに進めば対戦するであろう12球団のジュニアチーム。加えてほとんどの日程で、ダブルヘッダーが組まれた。
当然のことながら、野球はチームスポーツであり、攻撃も守備もチーム内の連携が勝敗を決める上で非常に重要なポイントとなる。くふうハヤテJr.はこの『12球団ジュニアトーナメント』に招待されたことから結成された急造チームであるため、一刻も早い試合感とチームワークの向上が急務だった。

それでも、大会直前での取材時には、多くの関係者が手応えを感じていた。元日本ハムやオリックスでプレーし、現在はトップチームの投手コーチを務める中村勝監督は「(勝ち進む手応えは)大いにあります。自分たちがやるべきことを当たり前のようにやり切ることができれば、いい勝負ができるチームです」と自信を口にして、背番号1を背負う桑折海聖選手は「家族みたいな感じでみんな仲が良い」とチームを表しつつ、「うまい子が集まっているから、勝てると思う」と胸を張った。