「大きい球場で緊張したが緊張感の中でピッチングをできたのはよかった」
迎えた12月26日の大会初日。舞台は東京ヤクルトスワローズの本拠地・神宮球場だ。記念すべき初戦の対戦相手は、同じく招待チーム・独立リーグのルートインBCリーグJr.。くふうハヤテJr.は、3回に3点を許すが、4回裏、百瀬壮汰選手・桑折選手・後藤大和選手の3連続適時打で4点を挙げて、逆転に成功。さらに5回裏には、野田一心選手の犠飛で追加点を挙げて、5-4で同大会初出場初勝利を飾った。まさに快挙だった。
<桑折海聖選手>
「プロ野球の試合が行われるような大きい球場で投げたことがなかったので緊張しましたが、そんな緊張感の中であのピッチングをできたのはよかったと思います」
<杉山滉選手>
「最終回で追いつかれそうになってドキドキした分、今日の勝利はいつもよりうれしかったです。(ヒット2本に対して)あまり調子はよくなかったけれど、こういう大きな舞台で打ててよかったと思うし、きのうたくさん素振りをしておいて良かった」
<福田有 キャプテン>
「いつもよりみんな盛り上がっていたし、声も出ていて良い感じだなと思いました。将来は大谷翔平選手のようなメジャーリーガーになりたいです」
翌27日は独立リーグの四国アイランドリーグplusJr.と対戦。しかし、この日は相手先発・堀川緒夏投手の緩急をつける投球術に打線が翻弄され、5回2死まで1本のヒットも出なかった。2死1塁から後藤大和選手がチーム初安打を放ち、チャンスを広げたがあと一本が出ず。最終回2死、最後の打者となった福田キャプテンの懸命のヘッドスライディングも届かず、0-2の完封負け。約4か月にわたる、静岡県を代表する野球少年たちの挑戦が幕を閉じた。

惜しくも決勝トーナメントに進み、12球団のジュニアチームと対戦することはできなかったが、ほとんど全員が静岡のチームで活動してきた地元の選手で結成されたチームが、歴史ある大会で価値ある1勝を挙げたことは、今後に向けて大きな財産となるだろう。
大会を終えて、中村勝監督はこのように振り返った。
「早い段階で全国の舞台を知ることができる機会があって、高いレベルの野球を体感できるのは大きいと思います。間違いなく疲労感だったり、緊張感という部分が普段の試合とは変わってくると思うので、その辺の経験であったりを子どもたちの成長につなげられるに違いないので、よい大会でした。この経験が静岡の子どもたちの野球に何か与えてくれることを信じています」
くふうハヤテJr.での活動を経験した選手たちの中から、今後、甲子園で、そして、プロの舞台で活躍するような選手は出てくるのだろうか。彼らのプレーにも引き続き注目していきたい。