永濱聖将さん(47)です。神戸市長田区に住み家族で葬祭業を営んでいます。

徳之島出身の永濱さんは生まれて間もなく父の仕事で神戸に移り住みました。父・昭市さんは6年前に亡くなり母・時子さんと2人で暮らしています。

(永濱聖将さん)「ここが元々の私の家」

高校3年生のときに両親と妹、祖母と暮らす2階建ての自宅で被災。連休明けの火曜日、1階で寝ていると突然の揺れに襲われました。

(永濱聖将さん)「目が覚めたら何がどうなっているのか。本棚が落ちているのかテレビが落ちているのか」

自宅は全壊し1階部分が潰れ、永濱さんは落ちてきた落ちてきた梁に挟まれました。近くでは地震による火災が発生し、自宅まで火の手が迫っていたといいます。

(永濱聖将さん)「ここの空間だけしかない。『火の手が出た』と言われ、聞こえたけど脱出できなくて、恐怖心」

(母・時子さん)「上から叫んだ。『のこぎり持ってきてください』『子どもが挟まれているから』。助け出されなかったら私も一緒に、この子の側にいようと覚悟はしていた」

近所の人がのこぎりで梁を切断し、間一髪のところで助けられましたが、自宅は全焼しました。

(永濱聖将さん)「ここでどういう生活をしていたのか私の記憶でしか残っていない。思い出の品がないのが一番つらい。いつもの当たり前の日常がきょうも来るのかなと思ったら、いわゆる『一寸先は闇』」