▼去年8月の日向灘の地震とは「規模が違う」

―――去年8月にも日向灘を震源とする地震があり、その時は南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表されました。今回とは何が違ったのでしょうか?
「マグニチュードが違いました。精査した結果出てくるモーメントマグニチュードが、今回は6.7でしたが、去年8月の地震の時は7.0でしたので、巨大地震注意が出されました」
―――去年8月の地震のモーメントマグニチュードが7.0で、13日の地震は6.7。この差をどう捉えたらよいのでしょうか?
「実は、マグニチュードが1違うと地震のエネルギーは約30倍違うと言われています。0.2違うとエネルギーが約2倍違うことになります。数字としてはわずかな差であっても、エネルギー的には規模が違う地震と言えると思います」
―――日向灘では、過去にもマグニチュード7クラスの地震が繰り返し発生していて、人が揺れを感じない地震を含めて頻発しています。また、南海トラフと同じく、プレート同士が押し合い片方がずれ上がる「逆断層」の構造です。こうした日向灘での地震について、南海トラフへの影響はどう見ていますか?
「陸のプレートと海のプレートが押し合って陸側のプレートがのし上がるという、南海トラフと全く同じタイプの地震です。ただ、南海トラフと日向灘は、普段起こっている地震の大きさ・数がかなり違っていまして、日向灘は比較的小さい地震も含めて普段から地震が起こるところですが、南海トラフは、和歌山県や高知県の沖合のようなところでは逆に非常に大きい地震だけが起こるところです」