久保田さんは集めた膨大な調査資料をまとめる中で、最近になって気づいたことがあるといいます。

それは先ほど紹介した旧14号棟の構造についてです。

旧14号棟は木造とコンクリートの混構造でしたが、その後、鉄筋コンクリート造り(新14号棟)へと建て替えらえれたため旧14号棟の平面図などは残っていません。

旧14号棟 提供:東京電機大学 旧工学部 建築学科 阿久井喜孝研究室 久保田要さん

しかし、これまでの調査で集めた旧14号棟の写真に写る排水管の並び、さらに最上階の5階天井にある明り取りのトップライト(天窓)などの情報から、間取りを推測してみたそうです。

久保田要さん:
「建物の南面の隅からトイレ、キッチンがあり、通路を挟んでまたキッチン、トイレとなっている」

久保田さんが推測した旧14号棟の間取り図

久保田さんによれば、旧14号棟は2戸の並んだ職員住宅が通路を挟んで対称にもう2戸あるという間取りと推測できるということです。

そして、久保田さんが特に注目したのは、住宅の真ん中にある通路です。