『夜明けを待つ』の中に桑畑さんへの思いが綴られています。

「桑畑書店が私の本を売ってくれている(略)そこで桑畑さんが頑張っている姿を見て、私も頑張らねばと奮い立ったのである(略)書かなきゃと思う。面白いものを、人が手に汗握るものを、夢中になって時を忘れるものを。あの店に置いてもらうために頑張らねば」

それからSNSを通じてお互いの近況や思いを語り合う交流がはじまりました。
2019年秋には台風で桑畑書店が浸水被害にあったことを知った佐々さんが「片付けの手伝いに来ました」と連絡なしに突然訪れたことも。

(桑畑眞一さん)
「びっくりしましたよ。片付けはもう終わったと話したら、『せっかく来たから』と本をたくさん買ってくださいました」

毎年秋になると桑畑さんは釜石特産の『甲子柿』を送り、神奈川生まれの佐々さんは釜石を「第二の故郷」と話すほどに釜石との縁が強くなっていました。
2020年に上梓した「エンド・オブ・ライフ」は「YAHOO!ニュース本屋大賞ノンフィクション大賞」に輝き、翌年、桑畑さんは佐々さんを釜石に招いてトークショーを開きました。