■「世界恐慌を引き起こしかねない」台湾有事は半導体有事
ーー今言われているのが、やっぱり台湾有事があるんじゃないかということですよね。ロシア、ウクライナを見ていると、それがなんとなく近づいてきたような気もするし、しないでもないし。と私は思うのですが、どのように捉えてらっしゃいますか?

自民党 薗浦副幹事長:
10月末といわれていた中国の第20回共産党大会が半月早まった。かつ、この大事な時期に習近平さんが外遊に出ることになった。これはとりもなおさず人事の話がもうパタッと決着をして、習近平さんが北京に居なくて外遊に出ても、もう変なことは起こらないという確信を得たってことですから。ある意味、10月中にきちっとした体制が作られる。要は、より権限が強大になるということです。我々はそれにどう対処していくのかというのが1点。
もう1つは台湾有事は、軍事的な面ばかりがクローズアップされます。もちろんその軍の面も大事で、日本がそれにどう対処するのか、これは極めて大事な話なのですが、もう1つですね、半導体。台湾が世界の供給の半分以上を占めています。
そうすると、この台湾の半導体が止まると、世界の製造業全部止まりますよ。世界恐慌が来る。間違いなく。その時に我々どうやって立っていられるの。その軍事面だけじゃなくて、この台湾有事っていうのは「世界恐慌を引き起こしかねないんですよ」という危機意識を、世界各国共通にもたないと。だから、これは東アジアの地域の問題じゃなくて、世界経済全体に恐慌をもたらしかねない話ですよ、というのを世界各国が共有をして、そういう不測の事態を抑え込む。こうしたこともやっていかなきゃいけないと思います。
■「日中友好なんてもうない」「日中共益で行くべき」
ーー日中国交回復50周年ということで、日本と中国、どのように付き合うのかというのと、それから台湾有事は本当にあるのかということ。その2つをどう見ますか?
自民党 薗浦副幹事長:
日中という意味で言うと、我々引越しできませんから、問題がありながらも付き合わざるを得ない。付き合わざるを得ない中で、日本のいわゆる利益っていうのをどうやって守っていくか、僕自身はもう「日中友好」なんてないと思っています。
隣同士も喧嘩するものですよ、世界各国どこ見ていても。アメリカとメキシコもだて揉めるんです。だからその日中が共に利益になる部分、「日中共益」という言い方をしていますけれども、日中は共に利益になる部分では、ある程度握りますよと。ただその前提として、尖閣とかいろんなことを含めて彼らが力でいろんなものを変えようとしているものに対しては、断固として反対をする。反対するだけじゃ、声だけじゃ駄目なので、反対をする実力と力と、そして国際世論を味方につける。それをやっていくことによって、日中間の外交というのも、ある程度マネージできるようになると思います。














