“事故率が高い”とされる東京 今後起こりえる被害とは

司法書士が万が一、地面師にだまされ、損害賠償を負うことになった場合に備え、加入する「業務保険」も、東京は“事故率が高い”という理由で、保証の限度額が大阪の4割に留まるという。

2024年にヒットした配信ドラマで主人公となっていたのが、実際に取引の場に現れ、買い主と対峙する「アプローチ屋」だ。

佐藤は「アプローチ屋は『顔を出す』という非常に大きなリスクがあるので、さまざまな取引に同じ人が行くということは基本的にありません。グループの他の役割の人が兼務するなどするようです」とその人物像を分析する。

長田さんが今後起こりえる被害について警告する。

「政府が国を挙げて、ハンコを減らしてマイナンバーカードを推進したり、AIの利用を薦めたりして『非対面取引』がしやすい環境になっています。しかし、不動産の取引では免許証を実際に触ってみるといった感覚的なものから得られる情報が、地面師詐欺を見抜く上で非常に重要になりますが、非対面ではそれができません。遠隔でのやりとりが可能など、一見便利な『非対面取引』ですが、『対面取引』と比べたメリット・デメリットのバランスを考慮することが重要です」

「地面師たちはすごく勉強しているので、大手の業者や司法書士、弁護士は常に技術のバージョンアップに 乗り遅れないようにしなくてはいけないと考えています」