“お見合い現象”のメカニズムを解説

──なぜ“お見合い現象”が起こるのでしょうか?

“お見合い現象”が起きるようなシチュエーションで実験すると、これには3つの要因があることがわかりました。

1つ目は「たまたま歩行のリズムが一致してしまった」ことによって起きます。

実験で、全く知らない人同士が向かい合って足踏みをしてもらいました。すると、いつの間にか動きがシンクロしてしまいます。これが「たまたま歩行のリズムが一致する」ということです。

例えば、蛍がバラバラに光っていたのに一斉に光りだすとか、ライブのアンコールで自然と拍手が同じタイミングになって、ひとつにまとまる、なども同じだと言えますね。

──なるほど。無意識のうちに合ってしまうんですね。

2つ目は「避けようと思うまである程度、距離がある」。

相手から10〜20センチの距離だとそこから避けようとするのは、ほぼ本能ですよね。むしろ、2〜3メートル離れたところで、避けようと思って余計な推測をすることによって、逆にぶつかりそうになってしまう。

他者の動きを予測できる十分な距離がある場合、どっちに出ようか?という行動に影響を与えてしまいます。

──たしかに…ぶつかりそう、ぶつかりそう…どうしよう、どうしようと考えていると“お見合い現象”が起こる気がします。

3つ目は、相手の右足が出てるときに、自分の左足も前に出ている鏡のような状況だと、物理的に同じ方向に避けてしまい、お見合い現象が起きやすくなります。

以上の3つの要因が重なり合うと道での“お見合い現象”は起きやすくなる、と言えます。

Honma et al., Front. Psychol.2015