「前から来た人と同じ方向に避けてしまう」
ふとした時起こる、あの現象。
向かいから来た人と気まずくなった経験がある人も多いのでは?
自分が「左」にでるのに相手が「右」にでてくる。つぎは「右」に出ようとすると相手は「左」に出てくる…避けようと思えば思うほどアワアワし、気まずくなってしまうのだ。
あの現象って、何?
そうなってしまった時の解決策ってあるの?
独自に“あの現象”について研究した、昭和大学医学部 生理学講座生体調節機能学部門の講師で心理学の博士でもある、本間元康さんに話を聞いた。
名前は…まだない みんなが経験する、あの「あるある」

ちなみに“あの現象”について、一番わかりやすく表現するのであれば、道での“お見合い現象”ではなかろうかと思うので、ここでは“お見合い現象”と呼ぶことにする。

本間さんに取材依頼をした際にも“お見合い現象”という言葉を使ってみたが「ああ、それね」という感じで通じ、ホッとした。
──“お見合い現象”に正式名称ってあるんですか?
それが、正式名称はないんですよ。
誰もが経験しているのに、その現象の名前がないのは、なかなか珍しいかもしれないですね。
──本間さんは、“お見合い現象”に関する論文で「歩行中のためらい回避」と表現していますね。
そうですね。英語論文で、あの現象を訳することが難しくて「歩行中のためらい回避」としました。
──そもそも、「歩行中のためらい回避」とは何なのでしょうか?
互いにぶつからないように回避しようとして、同じ方向に動いてしまう予測エラーだと言えます。