床上浸水の被害があった別のお宅では…
▽住人・當間紀子さん
「トイレまで今、手が付けられなくて。いろいろ家具もあったが、水に浸かっちゃって使い物にならなくて。大半は捨てた」
那覇市出身の當間紀子さんは、近い将来、夫と2人、この地で第二の人生を送ろうとしていた矢先に被害にあいました。
「小さな畑を持って野菜を作りながら、ゆっくり生活できたらいいなと。夢を持って購入したんですが、大きな災害にあうとは夢にも思っていなかった」
大雨から約2週間がたったこの日は、リフォームや水回りなどの業者に、修繕にかかる見積もりを依頼していました。
「床がしっかりしているから、枠は残して、こういうところは再利用とか」
表面の泥はきれいに拭き取り、開閉はスムーズにできるクローゼットなど。床以外は、再利用できると思っていましたが…
▽業者
「ダメだな」「黒カビは中から発生してくる。青カビは表から発生してくる」
壁などに使われている木材は、一度水に浸かってしまうと黒カビの発生は止められないといいます。シンクなどの水回りも…
▽業者
「どんどん(材が)膨らんでくる、今から」「全部浸かってるんですものね」
「こういった災害現場は初めて。吊戸棚は大丈夫かもしれないが、下は全てキャビネットが木なので、水を吸ってしまって。基本全部取りかえになると思います」
▽別の業者
「乾燥させさえすればカビ菌は軽減されるが、開け放しはちょっと不可能ですので」
▽住人・當間紀子さん
「そうですよね。こんなに甚大な被害があるとは…」
「予想外の被害で、頭を抱えていますね。床だけ換えればいいのかなと、素人なので思っていたのですが。心の整理をするのに少し時間がかかるかな」
県は、災害救助法の適用があった場合と同等の補助・最大70万円や、独自の見舞金などの支援を進めていますが、修繕費用には少なくとも1000万円以上がかかる見込み。個人で負担しなければならないのが現状です。
ー今最もほしい支援は?
▽住人・當間紀子さん
「浸水深1m以上越えなければ、義援金も少ないですし。その中で床も張りかえて、電化製品も日用の家具も揃えてなんて、どれだけ掛かるか分からない。少しでも関心を持って下さった方は、サポートして下されば助かるかな、という思いは強くある」
北部の大雨から2週間以上。被災地域ではそれぞれの復興の段階に応じたサポートが引き続き、求められています。(取材 今井憲和)
