相次ぐサプライズ人事 トランプ氏が目指す政権

一方、2025年1月の新政権発足に向け、着々と進む閣僚人事には、常識を覆すサプライズが起きている。
アメリカ軍を統括する国防総省トップ国防長官のポストにトランプ氏が指名したのは、ピート・ヘグセス氏。ヘグセス氏は、トランプ政権寄りの報道を続けてきたテレビ局「FOXニュース」で番組の司会を務める人物。
元朝日新聞編集委員で、アメリカ共和党・トランプ政権に詳しい峯村健司氏は、国防長官へのヘグセス氏の起用について…

キャノングローバル戦略研究所 峯村健司主任研究員:
トランプ政権の人事を見たときに、国防長官人事というのはかなり不安要素になってくる。国防長官は本来ならば実務を積んでいて、知識もあってという人がやるべき。トランプ氏の安全保障政策の一番のコアなものは何かというと戦争を起こさない。戦争やめるというところ。終わらせることが実は国防長官の一つの仕事となってくると、軍の経験、例えば何か安全保障の知識というよりは、自分の言うことを聞いてしっかり戦争を収める人間だった。

過去に陸軍兵士としての軍歴はあるものの、政府で要職を務めた経験がないヘグセス氏の起用に疑問の声も上がっている。

自らをタリフマン=関税男と称しているトランプ氏。雇用を奪う安い輸入品をアメリカから締め出すために公約の目玉に据えているのが、最大60%の中国への関税。これを実現するため、外交トップの国務長官に指名したのが中国に対する強硬派で知られるマルコ・ルビオ上院議員。
マルコ・ルビオ上院議員:
中国は、現時点では世界的な影響力においてアメリカ最大の敵国であることに、ほとんどの人が同意するだろう。
キャノングローバル戦略研究所 峯村健司主任研究員:
(ルビオ氏は)一言で言うと「筋金入りの対中強硬派」と言っていい。2018年ぐらいに言われた言葉で鮮烈に痛烈に覚えているが、これはもう「文明の衝突」なんだという言い方をする。つまりもう政治体制だけではなくて、イデオロギーもそうであるし、もっと言うと人種。中国も非白人の相容れない「不倶戴天の敵」であるという意味を感じる。
中国政府はルビオ氏を入国禁止にしている。対中強硬派のルビオ氏は、香港の民主化運動の支援や新疆ウイグル自治区での強制労働の排除などを目的とする法案を提案している。
キャノングローバル戦略研究所 峯村健司主任研究員:
(入国禁止の)制裁対象ということを知っていても、ファイティングポーズを示すのは一つの意味。入国禁止になっているということは、ルビオ氏がどこかで米中の外交会談をやるのかと。第三国で会うのか、という話も出てくるし、制裁対象の人が中国の外務大臣と会っていいのかと。これも二重三重の問題があるという意味で、非常に中国にすると頭が痛い。














