「夫が一家心中を図りました」国外脱出を支援する日本人に届いた悲痛なメッセージ

窮地に陥った一家がたどり着いたのが、日本の支援者だ。
中東やアフリカなど、世界各地で紛争解決に取り組む、認定NPO法人『REALs』の理事長・瀬谷ルミ子さん。
タリバンが実権を掌握した直後から、国外への脱出を求めるアフガニスタン人たちへの支援にあたってきた。
過去に、外交官や国連PKOの職員として、アフガニスタンなどの紛争地で武装解除の任務に携わってきた瀬谷さん。

クラウドファンディングや寄付で支援を募り、この3年で、300人あまりのアフガニスタン人を国外に退避させ、1500人以上に生活支援を行ってきた。
しかしー。

認定NPO法人『REALs』の理事長・瀬谷ルミ子さん
「実は今、アフガニスタンで迫害を受けている人たちを受け入れてくれる国がほとんど無くて。可能性があるとしたら、ドイツとスペイン。今は主にドイツへの退避を集中的に調整しているところです」
国際社会の関心は、ウクライナやパレスチナをめぐる情勢に集まっており、受け入れ先として有力なドイツからの承認もなかなか得られないという。
ファティマさん一家が潜伏生活を始めてから2年以上が経った、ある日。瀬谷さんのもとに、ファティマさんから悲痛なメッセージが届いた。

ファティマさんからのメッセージ
「今日、私の夫がキッチンのガスを使って、一家心中を図りました」
きっかけは、同じくタリバンから追われていた元同僚の自死だったという。

瀬谷ルミ子さん
「元同僚が命の危険から地方に逃げて、働くこともできず、潜伏生活をする中でお金も尽きて、最後にはパン一切れも子どもたちに買ってあげることもできなくなって―。絶望から首を吊って自死したという様子の動画が送られてきて、旦那さんはそれを一日中ずっと見続けていたと」

ファティマさんからのメッセージ
「人生に疲れてしまいました。問題ばかりで、生きる気力も残っていません」
極限状態に置かれたファティマさんたち。瀬谷さんは、一家を隣国・パキスタンに一時的に避難させるべく、ビザの取得に動き出した。
数か月後…ついに、アフガニスタン脱出の日が決まった。














