「体の小さい子どもはすぐに悪化しやすい」

 摂食障害は発症から治療までの時間が短い方が回復しやすいと言われていて早期発見・早期治療が重要です。しかし本人や家族が病気だと認めないケースも多く、体の小さい子どもはすぐに悪化しやすいと髙宮静男医師は指摘します。

 (髙宮静男医師)
 「実は悪化しているのに元気だと錯覚を起こしやすい病気でもありますよね。だから対応が遅れることもあります。あるところまで元気なんですよ、超すと落ちちゃうんです。脳が縮むこともありますし、心臓も小さくなるし、いろんな部位が悪化します。筋肉がだんだん減ってきて、息ができなくなっちゃって、それでICU(集中治療室)に入ったという人も見たことがあります」

 一方で、摂食障害の病態が複雑で理解しにくいなどの理由で治療できる病院は少なく、教育機関と医療機関の連携も課題となっています。
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 病院が見つかりにくい。平田さんも例外ではありませんでした。

 (京妃さんの母親)
 「15歳~16歳をなかなか診てくれるところがなくて。『摂食障害はうちの院長は得意科目じゃないです』とぶちって切られたり…、ということがありました。やっと予約が取れたのが1年後くらいでしたかね」

 家族としてどうしてあげれば良いのか。母親は試行錯誤しながら毎日娘と向き合っています。

 (京妃さん)「(仕送りで送ってくれたスープ)おいしかった」
   (母親)「あれおいしかった?そうなんや。それやったらどっさり…、どっさりやったら食べへんな。また送るわ」