コロナ禍で増加する子どもや若者の『摂食障害』。必要な食事を食べられなかったり、食べ過ぎてしまったり、飲み込んだ食べ物を意図的に吐いてしまったり、様々な症状があります。今回、取材班はささいなことがきっかけで摂食障害になり現在も“拒食”と“過食”に悩む大学生に話を聞くことができました。
きっかけはささいなこと…「摂食障害」に悩む大学生

大阪府池田市に住む平田京妃さん(19)。今年春、大阪府内の大学に通うため1人暮らしを始めました。一見、普通の大学生ですが、平田さんは摂食障害で拒食と過食を繰り返しています。好きなものは食べられず、肉や炭水化物を食べることに怖さを感じます。
(平田京妃さん)
「固形物はほぼというか食べないですね。スープがメインというか基本ですね。食べるのが怖くて思うように食べられなかったり。逆に食欲に左右されてというか支配されてガーッと食べては飲み込めずに吐いてしまうということもよくあります」
摂食障害は拒食や過食というように食事をコントロールできず心や体に影響が出る病気です。年間22万人の患者が医療機関を受診しているとされていますが、特効薬はなく、平田さんはカウンセリングなどの心理療法を受けながら、もう4年この病気と闘っています。
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きっかけはささいなこと。陸上部に所属していた中学3年の時でした。
(平田京妃さん)
「(たまたま)一回体重が3kgくらい落ちたんですよ。そこから走るのが速くなって、『もっと落としたら走れるんや』ってなって。空腹な時間が快感といいますか、まひしている感覚に近い」
給食を半分に減らすことから始まり、家でも白ご飯やおかずを食べなくなっていきました。
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高校に入り環境が変わると病状はさらに悪化。体重は10kg以上減って約30kgになりました(146cmの適正体重は46.9kg)。ほうれい線がひどくなり、栄養不足から疲労骨折もしました。さらに高校2年の時には甘いものを一口食べたことをきっかけに過食の症状も出始めたのです。
(平田京妃さん)
「誕生日にもらったケーキとか食べずに置いていたんですけど、寝静まった時に1ホール食べる勢いで冷蔵庫に向かって、泣きながら止まらなくて食べてしまったりとか。『またやってしまった。消えたい』と思ってしまいますね」
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病気が原因で陸上部も退部。教師や友人にも摂食障害については言えませんでした。そんな中でも家族は娘の異変に気が付いていました。
(京妃さんの母親)
「日々痩せていく彼女を見ていて心配でたまりませんでしたね。教科書が入ったリュックを背負っている姿が痛々しくて。そこで思いっきり言い聞かせて言い聞かせて、もっと寄り添っていればよかったのかな」














