『農地のバトンを次の世代へ』 

東京の大手証券会社で働いていた福永さん、転機は熊本地震。益城町の祖母宅が全壊したのです。

福永さん「私の両親、祖母も熊本の益城町に当時住んでいたので、いまだに光景が鮮明に残っているぐらい びっくりして、『いつか熊本で役立つ人間になりたい』と思って上京した時の気持ちを思い出した」

それからというもの、地域の将来のことが心配になったという福永さん。2020年、コロナ禍でリモートワークが始まった時に、退職して農業に関わる仕事を始めたいと思うようになりました。

福永さん「第一次産業、特に農業はもうぶっちぎりで東京に勝っている。生産額、農家の数、農業は面白いのかなと」

熊本は全国でも有数の農業県。農業こそ大都市にはない熊本の価値が隠れていると確信し、農地のバトンを次の世代につなぐ役割を担おうと決意したのです。

2021年、会社を辞めて、経験のなかった農業の分野で起業。最初は農産物の販売や、農業大学校での学びを通して農家とのネットワークを広げ、今年5月には、全国的にもほとんど前例のない “農地のマッチング” に成功しました。