実績アピールに「握手作戦」も 予想以上に強かった自民党への逆風

一方、長島氏は安全保障分野での実績や、政治家としての安定感をアピール。

加えて力を入れたのが、有権者一人ひとりの手を握りながら、目を見て言葉を交わす「握手作戦」だ。毎日駅や街頭に立ち、選挙戦を通して一万人を超える人々と握手を行った。決して手ごたえは悪くなかったというが、一部の地域ではあまりビラを受け取ってもらえず、陣営は「想像以上の逆風だった」と振り返る。

敗北が決まった後、長島氏は支援者に対し「すべて私の力不足。逆風ではあったものの、何かが自分の活動や姿勢には足りなかったと自問自答している」と険しい表情で語った。

長島氏は比例で復活当選を果たしたが、結局自民党が東京都の小選挙区で獲得したのは30のうち11議席のみで、立憲民主党の15議席を下回った。裏金問題が国民にもたらした不信感と失望感、それを払しょくできなかった代償はあまりに大きなものとなった。