「知名度ゼロ」からの戦い 自らの経歴を武器に無党派層から多くの支持

選挙戦が始まる前、「長島氏の横綱相撲の中で、知名度ゼロの状態からどれだけ知ってもらえるかが勝負」と語っていた五十嵐陣営。実際、3年前の都議会選挙では隣の武蔵野市から選出されており、30区における知名度は決して高いとはいえなかった。
選挙戦に突入すると、野田佳彦代表や菅直人元総理などが次々に五十嵐氏の街頭演説に駆けつけた。集まった大勢の聴衆を前に、自民党の政治とカネの問題を非難すると同時に「彼女なら国の政治を変えられる」と五十嵐氏のクリーンさ、フレッシュさをアピール。
五十嵐氏本人は、不登校だったことや、不当解雇された経験などを交えて、子育てや介護、進学、就職に不安を感じる人々や、物価高で生活がままならない市民の声に寄り添う政治を演説で訴えた。
それが多くの有権者の心に響いたのか、JNNの出口調査によると五十嵐氏は無党派層からの票を半分以上獲得。立憲民主党を支持する人々の9割以上の票を固めたうえ、もともと自民党、公明党を支持している有権者からも約2割の票を得た。
また、幅広い年齢層から万遍なく票を得ているのも特徴だ。特に高齢者層からの支持が厚く、70代以上のおよそ半分が五十嵐氏を支持する結果となった。