安倍派・保守系議員、高市早苗氏が“火炎瓶事件”の日に応援入り

10月19日。
自民党本部に男が火炎瓶を投げ込み、総理官邸に車で突っ込もうとした事件が起きたその日の正午、高市早苗・前経済安保担当大臣の姿は東京北区・赤羽駅にあった。

厳重な警備の中、衆院選東京12区の自民党候補・高木啓氏の応援に駆けつけたのだった。

300人を超える聴衆に対し、高木氏の外務政務官の経歴を引き合いに外交・安全保障の重要性や、同じ積極財政派として経済成長などを訴えた。

安倍派に所属していた高木氏は、高市氏が顧問を務める自民党・保守系議員のグループ「保守団結の会」に参加し、9月に行われた総裁選でも高市氏の選対に入っていた。

選挙事務所の外観には、高市氏の顔写真やキャッチフレーズを大きく掲示し、石破総理のポスターは1枚もなかった。
ある選対関係者は「石破さんの批判をしているわけではない。ただ“高市推し”の潔さで戦う。総裁選の党員票も東京では高市さんが1位だったし、保守票を固めたい」と話す。

高市氏との距離の近さを前面に出す選挙戦スタイルに、他候補の陣営は「違和感しか感じない。衆院選の後に、自民党内で抗争でもするのかと思う」と揶揄した。

27日に行われた投開票の結果は、高木氏の当選。
初の小選挙区での出馬のうえ、“裏金”はなかったものの安倍派に所属し、逆風と言われていた中での勝利だった。