筆者「平沢さん、僕、立石出身なんですよ」
平沢氏「え?そうなの??」

この日、初めて喋った!さすが「ミスターどぶ板」といわれる平沢氏。地元出身者のお願いは断れなかったようだ。

筆者「どうですか、今回は?周りの声は?」
平沢氏「今回はただ勝つだけじゃダメなんだよ。大差で勝たないと!」

平沢氏は大差をつけて勝つことを強調した。こうした意向を汲んでか、平沢氏を支える地元の自民党区議・都議らもピリピリしているように見えた。

「修祓式(しゅうれんしき)」と呼ばれる出陣の行事は、まるで時代劇で見るような儀式だった。平沢夫妻の脇を葛飾区長と御年100歳の後援会長兼選対本部長が固め、さらに自民党区議団らが整列していた。

「おめえら、早く並べよ!」

べらんめえ口調の怒号が会場に響いた。区議団の幹部が、もたついている若手の区議に向かってマイクを使って言い放った。時代に逆行するような怒号にドキッとしたが、会場に集まった支援者らは気にしていないようだった。この日集まった支援者は町内会の会長など古くから平沢氏を支えている高齢者が多かった。

あいさつで自民党都議が「今回の党本部の決定は釈然としない」と話すと、多くの支援者がうなずいていた。ここでは党本部の決定に異を唱えても平沢氏のためなら“正義”となるかのようだった。

平沢氏はこう息巻いた。「私は総裁選で石破さんを応援した。言いたいことはあるけれど、今は言わない方が良い」。自民党総裁選で平沢は石破氏を支えたにも関わらず、非情にも公認されなかったことに不満を隠さない。

そして平沢氏は、自身と同じ警察官僚出身の佐々淳行氏が石原慎太郎氏に贈った台詞「反省しろよ慎太郎 だけどやっぱり慎太郎」を引用した。

「『反省しろよ自民党、平沢!だけどやっぱり自民党、平沢』なんですよ!」

支援者からこの日一番の拍手が沸いた。