自民党が公表した旧統一教会に関する“点検”結果。「教団から選挙支援を受けた」と党に報告したのに、点検結果の中では名前が公表されなかった議員がいたことがわかりました。点検結果は実態と合致しているのか…。ジャーナリストの鈴木エイト氏は、第三者を入れて検証すべきと指摘しています。

■「正直者が馬鹿を見た感じ」 旧統一教会との関係“点検”に実態とズレ


自民党が9月8日に公表した旧統一教会と接点があった国会議員の一覧。関連団体ではなく、教団本体のイベントに出席したのは10名としました。萩生田政調会長らの名前がありましたが…


自民党 山本朋広 衆院議員(2017年5月)
「マザームーンにさきほど、カーネーションの花束をプレゼントさせて頂きました」 

都内のイベントで、韓鶴子総裁のことを「マザームーン」と呼んだ山本朋広衆院議員。このイベントは教団主催のものですが、山本氏の名前がありません。山本氏は事実と異なる報告を自民党にしたのでしょうか。事務所に聞きました。すると…

山本事務所
「9日にすでに修正しております」

自民党が結果を公表した翌日に党本部に修正の報告をしたというのです。理由については「当初、関連団体の案内であったが、改めて確認したら教団本体の会合と判明した」としています。


続いて、選挙で教団側から「組織的支援」や「ボランティア支援」を受けていた議員の一覧。このなかに下村元文科大臣の名前はありませんでした。しかし…

旧統一教会を取材 鈴木エイト氏
「去年10月9日に下村博文さんの国政報告会が行われて、そこで下村博文さんは推薦状をもらっている。教団関連団体から」


写真に写る下村氏が掲げているのは、推薦状とみられます。事務所に問い合わせると…

下村事務所
「推薦状については事前に聞いていたわけでもなく、会場で突然渡されました。当該関連団体に対して弊所より支援や推薦の依頼をしたこともありません」

一方、事前に教団側から選挙支援を受けていたことを認めていた工藤彰三衆院議員は、自民党が公表した選挙支援を受けていた議員のなかに含まれていませんでした。工藤氏側に確認すると、自民党には報告したといいます。


工藤彰三 衆院議員
「今回の党本部の調査には全ての事実を書いて提出しています。あとは党本部の判断ですので、党が出さなかっただけです」

ではなぜ、自民党は工藤氏の名前を公表しなかったのでしょうか。

自民党
「9月8日に茂木幹事長が配布した資料と説明内容が現在、お示しできるものの全てです」

自民党関係者からはこんな声が上がります。

自民党関係者
「自己申告を鵜吞みにしているから、無意味な調査だよね。正直者が馬鹿を見た感じ」