■鈴木エイト氏「第三者を入れて検証すべき」「安倍元総理などを外していることも問題」

国山ハセンキャスター:
まずは、旧統一教会側の“内部文書”についてです。こちらは鈴木エイトさんが入手したものだということですが、どういったことが読み解けるのでしょうか?

ジャーナリスト 鈴木エイト氏:
この文書を作成された2005年に、安倍元総理のジェンダーに対する考え方と教団の主張が共鳴しあって、初期の関係が築かれた。それを示す資料だと思います。
ただ、この時期に関してはまだ安倍元総理と教団の間にはそれほど深い関係はなく、選挙の支援などお願いするような関係ではなかった。


しかし、これが2013年の参院選になると教団の組織票、安倍さんの肝いりの候補者に対する組織票の支援、依頼などをしている内部文書もある。そこに発展するまでの間にさまざまなルートが想定されるのですが、その中に政治家、政界ルートを繋いだ存在があるのではないかと見ています。

国山キャスター:
そういった存在があるとすれば、それが誰なのかというのが今後の焦点になってくるということですね。


山本恵里伽キャスター:
そして旧統一教会と自民党の関係についてですが、点検の結果、自民党国会議員379人中179人に接点があり、比較的関係が濃いとして121人の名前が公表されました。


2017年にアメリカのワシントンで撮影された写真の中央にいるのは、自民党・御法川信英衆院議員ですが、教団の幹部と一緒にいることが確認されます。さらに、御法川議員は衆院議員会館で行われた旧統一教会系の団体の会合にも出席していますが、今回の“点検”結果では名前の公表はありませんでした。


国山キャスター:
自民党は名前を公表する基準として、“会合に出席し、挨拶をした議員”など条件を設けています。関係が濃いように見える御法川衆院議員は公表の基準に当てはまらないのですが、今回の“点検”結果は、どこに問題がありますか?

ジャーナリスト 鈴木エイト氏:
問題点はかなりあると思いますが、教団との関係が浅い人と深い人が一緒に名前だけ羅列されている点が問題だと思います。正直に答えた人が損をしてしまう。そういう並べ方になっていると思います。しかも、名前を発表するだけで具体的にどのような関与があったのかというところがわからないために、事実関係の照合ができなくなっています。自己申告制では限界があると思います。

さらに、本来踏み込むべきである安倍元総理や細田衆院議長のところにまったく踏み込まず、外してしまっている点も問題だと思います。少なくとも、ここ10年間自民党の国会議員として活動されていた方を全員調べるべきであると思います。早期に幕引きを図ろうとしてる点が見えます。

国山キャスター:
果たして関係が断ち切れるのか。今後こういった問題が生じないように、どういった対応が求められると思いますか?

ジャーナリスト 鈴木エイト氏:
不公平感が生じないように議員の自己申告制ではなく、第三者を入れて検証すべきだと思います。岸田総理には踏み込んだ施策をとってほしいと思います。
あとは、議員の方、政治家の方が「反社会的団体」とよく言われますが、なぜ「反社会的団体」なのか、その根拠になる基準などをしっかり示したうえで、関係を断つと言ってほしいです。一方で「反社会的団体」と認定してしまうと、教団内にいる一般の信者の方、特に2世、3世の方に偏見が向かないようにケアもしっかりしていってほしいと思います。