■教団が「ジェンダー」政策に働きかけか

自民党の公表結果には一切名前が出てきませんが、旧統一教会との関係性が強く疑われる、ある国会議員がいます。


そのことを示す教団側の内部文書を、ジャ―ナリストの鈴木エイト氏が入手しました。

2005年に教団の関連団体が作成したとみられる資料。女性信者向けのセミナーの冊子です。「現在の課題となすべきこと」と題したページには・・・


教団側の内部文書
「第二次5カ年計画(基本計画)において、ジェンダーという文言を使用させない」

「安倍晋三官房長官と山谷えり子内閣府政務官でチェックできるように関係省庁、議員に積極的に働きかける」

小泉政権だった2005年、山谷議員は男女共同参画基本計画について国会で繰り返し質問していました。


自民党 山谷えり子参院議員(2005年3月の参院予算委より)
「専門家によっても合意されていない、ジェンダーという概念によって男女共同参画基本法のかなりの部分で運用が始まっている。次の5か年計画にジェンダーという定義を入れるべきではないと思いますし」

山谷議員は教団側の内部文書にあるように、基本計画に「ジェンダー」という言葉を入れないよう迫ります。

細田博之 男女共同参画担当大臣(当時)
「山谷委員のご趣旨を踏まえまして、取り組んで参りたいと思います」

さらに山谷議員は性教育についてもやり玉にあげ、批判しました。

自民党 山谷えり子 参院議員
「これはセックス人形と言われているもので、東京都、石原都知事、教育委員会が調べたものです。80の小学校からこのセックス人形が出てきました」

教団側の内部文書にも、各地で行われていた性教育について取り上げ、問題視する記述がありました。


山谷議員の国会での質問がきっかけとなり、自民党は2005年に「過激な性教育・ジェンダーフリー教育・実態調査プロジェクトチーム」を設置。座長には安倍氏が就任しました。

2005年12月に策定された男女共同参画の基本計画には、ジェンダーという言葉は入ったものの、「行き過ぎた性教育」などを否定する注釈が入りました。

教団側の内部文書には、セミナーを受けた女性信者の手書きのメモも残されていました。


女性信者のメモ
「山谷えり子さんと相談して・・・今たたかいの中にいる」

山谷議員が教団側と何らかのやりとりをしていたことを伺わせます。
しかし、12日のnews23が教団側からの働きかけがあったか取材したところ山谷議員は「ない」と回答しました。