台湾に接近、上陸すると台風は急速に衰える

その後も、台風18号の予報円を見ると、台湾に上陸した3日(木)朝9時には965ヘクトパスカルに弱まり、「非常に強い」から「強い台風」に。

台湾縦断中の4日(金)朝9時には996ヘクトパスカルで、「強い」がとれて、タダの「台風」に。

さらに、5日(土)朝9時には、1004ヘクトパスカルの熱帯低気圧にまで衰えてしまうのです。

台風の勢力を決めるもう一つの要素は陸地

これだけ急速に台風が衰えるのは、陸地の影響です。陸に近づき過ぎると、台風は回転することを邪魔されます。

さらに上陸すると、陸地との摩擦がさらに大きくなるのに加え、高温の海水からエネルギーを得ることができなくなり、まさに「陸に上がったカッパ状態」となり衰えるのです。

高山が多い台湾 台風の勢力を阻む

台湾の縦断面図

特に、台湾は、3~4000メートルの高山もあるほど標高が高い場所が多く、台湾に上陸する、あるいは接近する場合、台風の回転との摩擦がとても大きくなりが急速に衰えることが多いのです。

私たち気象予報士は、台風について「台湾への上陸、接近」を常に気にして、台風情報を発表しています。