「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野﨑幸助さん(当時77)が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた元妻・須藤早貴被告(28)の裁判。10月1日の第7回公判で、事件の約1か月半前に “覚醒剤の密売人”として、和歌山県田辺市内で女性に覚醒剤を売り渡したとみられる男性が、証言台に立った。検察側は“覚醒剤を購入した女性客は須藤被告だった”と主張している。

パーティションで遮蔽 男性「売人です」 話し方は少し“べらんめえ口調”

10月1日午後。和歌山地裁の法廷。

証言台をパーティションで完全に遮蔽する形で、ある男性への証人尋問が始まった。話し方は少し“べらんめえ口調”。声はしゃがれている。

(以下、検察官=検 証人=売)
検「平成30年(2018年)頃、どこに住んでいましたか?」
売「大阪市のマンションに住んでいました」
検「何をしていましたか?」
売「売人です」
検「何の?」
売「覚醒剤とか」

事件の鍵を握るとみられる人物が、ついに証人として出廷した。