メジャーリーガートリオの共通マインド「野球が大好き」

Q.(松井さんが参加することは)松坂さんには直接お伝えしてない?

イチロー氏:してない。大輔どう思うんだろうね。大輔は日本でも結構対戦もあるよね、日本シリーズだっけ?共通点は高校野球にフォーカスすると、3人とも甲子園には出てる。大輔はもう甲子園でとんでもない、最後ノーヒットノーランやっちゃうし、松井秀喜といえばもう伝説の合計5敬遠だよね。ストーリー持っているよねそういう選手って。

※松井は松坂に対して2002年日本シリーズで3打数無安打3三振、メジャー通算は14打数3安打、打率.214、2打点、1三振

Q.イチローさんと松坂さんと松井さん、この3人がアメリカでプレーしたことも含めて共有するマインド、思いみたいなものは何か感じますか?

イチロー氏:僕は僕自身のことを客観的に見られないから分からないけど、本当にその競技が好きでやってる選手の周りに流れている空気ってすごく、気持ちのいい空気が流れていると思うんですよ。 体を動かすことが好きな人たちにすると、「ああいい空気流れてるなこの人の周り」とか。東京ドームに来るといい空気が流れているんですよ。神宮外苑とか、体を動かす人たちの空気って凄くいいんですよね。元気になるんですよ。恐らく松井も大輔も野球大好きだと思うんで、そういうのがあるはずなんですよね。僕もきっとあるはず。はっきり言えるのは3人とも野球大好き。これは共通してると思いますね。

Q.そういう3人が女子と対戦するということで、女子の思いも高まると思うんだけど、松坂大輔が投手っていうところにこだわってる理由は?

イチロー氏:それは大輔の球を打ってみたいじゃない。松井と対戦したいでしょう。「あ、松坂選手だ」って絶対になるんですよ。感動すると思うんですよね。大輔は投げるなら先発しかないですよ。せめて1イニング、理想を言えば3イニング9人と対戦してほしいと考えてます。

Q.その時に、イチローさんはライト、松井さんがセンターという考え方もあれば、松井さんがサード、 イチローさんはショートという考え方も?

イチロー氏:あります。松井がサード、僕ショートはあります。どっちがいいだろうね。久しぶりの松井ファンが東京ドームに来てくれるとしたら、どっちを見たいだろうか。

Q.三遊間じゃない?

イチロー氏:そうかな?

Q.そこに集まっている感じがやっぱり。

イチロー氏:確かにね。3人が近い場所にいるっていうのは確かにそうだな。

Q.先発しないという覚悟も、今年の背番号には託されているんですか?

イチロー氏:去年「大輔が先発できるなら、僕は51番をつけて」という話をしてますから、松坂大輔に対するプレッシャーでもあります。ちゃんとやってこいよと。

Q.イチローさん、松坂さん、松井さんと聞くとつい忘れちゃうんですけど、KOBE CHIBENの人たちも一つずつ年を取るおじさんじゃないですか。

イチロー氏:そうですよ。みんなおじさんですよ。これまで3回勝ってますけど、何とかね。その不安もあります。着実にレベル上がってきてるから女子は。今回ファンの人に対してどうやって楽しんでもらえるか考えないといけないのも課題としてあります。

Q.今女子はレベルが上がってるっていう風におっしゃいましたけど、この何年かをやってみて、女子の選手たちの課題はどんなところに感じてますか。

イチロー氏:女子の課題は周りなんですよ。結局どうやって盛り上げるか。こんなに面白いんだよって知ってもらえるかどうかのきっかけが一番の課題なんで。見てもらわないと一定以上の力がでないから。そこなんですよ女子野球の課題は。

Q.イチローさんが立ちはだかるという意味では、ピッチャーとしての部分が大きくて、やっぱりイチローさんのボールは女子には体感できないスピードが出る(去年自己最速138キロ)。イチローさんの中では“140キロ”という数字ってどのくらい意識してるんですか。

イチロー氏:やっぱりキリのいい140キロは51歳になる年に投げたいですよ。