20年以上たち...脩さんのもとへやってきた1人の男性「お前の親父は優しい男だ」
父・恒男さんの死から20年以上たったある日、父の存在を思い出させる出来事がありました。当時30代で、喫茶店を営んでいた脩さんのもとに、見知らぬ男性が訪れます。男性は、自身を「陰山守男」と名乗りました。実は、脩さんの父と同じくチャンギ刑務所に収監されていたのですが、無事帰国。刑務所で一緒だった恒男さんの遺族が近くにいると知り、脩さんを訪ねてきたといいます。
陰山さんは当時のチャンギ刑務所での様子について「生き地獄やった」「きょうはお前・あすはお前とその日に指名されて死刑になる」と話しました。
一方で当時の父について「お前の親父は気立てのいい優しい男だぞと。そんな間違ったこととか考えはもってない」などと、父の様子を知ることができ、脩さんは、父の事を知ってくれている人がいることに感動したといいます。
そして、守男さんから『(脩さんの)父親の遺骨はシンガポールに眠っている』と伝えられ、「墓参り行けよ」と言われたということです。
その出会いから50年以上。父の存在を教えてくれた守男さんは亡くなりましたが、今は守男さんの義理の息子である男性(修造さん)らと、定期的なやり取りを続けています。