告げられた病名は「脳動静脈奇形」だった

原因は脳出血。医師からは、思いもよらない診断結果を告げられます。

(母親の佳代さん)
「脳動静脈奇形です」

毛細血管が作られず、動脈と静脈が直接つながって「とぐろ状の塊」となる先天性の難病です。10万人に一人とも言われ、この病のため唯人くんは脳出血が起こりやすい状態だったといいます。

(母の佳代さん)
「まさか自分の子どもが…という思いで、頭の中が真っ白になった…」

(食事をとる唯人くんに声をかける佳代さん)
「ゆっくりゆっくり唯人…おいしい?」
(唯人くん)
「うん…」

手術は、2週間ほど後に決まりました。入院中、何度も激しい頭痛に襲われたといいます。

(母の佳代さん)
「『この痛みをとって』という…その姿を見ると『しっかりしないといけない』という思いで…」

(唯人くん)
「『なんで僕がこんな辛い病気を背負わなきゃいけないのか』という…」

大好きな水泳を再び 手術に臨んだ唯人君

くじけそうな心をつなぎとめたのは大好きな水泳でした。

(吉原唯人くん)
「またプールの仲間たちと楽しく泳げたらいいなって…」

(母の佳代さん)
「倒れた日から『いつになったら退院できる?早くプールに復帰したい』という話はずっとしていました」

唯人くんを励まそうと、「唯人ファイト」の文字がプリントされたTシャツを着た仲間から、ビデオレターも届きました。

(ビデオレターで語り掛ける友人)
「唯人、手術がんばれ応援してるから」

(吉原唯人くん)
「みんなから手紙とかもらって、それで勇気をもらって手術したらまた仲良く(元の生活に)戻れるんだなって…」

(手術室に向かう唯人くんに声をかける佳代さん)
「がんばってね。行ってらっしゃい」