「ある種、狂信的なところにまで…」軍国教育の成り立った背景

戦時下の教育を研究する、立教大学名誉教授の前田一男氏はこう強調する。

立教大学 前田一男 名誉教授
「教育の力は大きい。戦時下の教育で、ここまで日本人、子どもたちはやったのだと。なぜ我々はあのような教育に絡めとられたのか。なぜ何も言えなかったのか」

しかし、今もひとたび戦争が始まれば、国は教育を使って、子どもたちを変えようとする。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアでは、去年から高校生を対象に、武器の使い方を教えるなど、軍事訓練を義務化した。

中国では今年1月、戦争に備え「愛国教育」を推し進める法律を定めた。

前田名誉教授
「自由主義も駄目、個人主義も駄目という形で、いろいろな価値観や考え方が封殺されていく。戦況がどんどん厳しくなってくるが、負けるわけにいかない。そうして、更なる高揚を求める。そのときに、ある種、狂信的なところにまで行くが、他の考え方を全部排除しているので、そこに行くしかないという所まで陥ってしまう。一つの価値しか認めないという危うさ。死ぬための教育は、教育のまさに逆転現象ですよね」