酷暑はホームレスにとって「サイレントキラー」

連日の暑さに苦しむホームレスにとって、日常生活の些細な行動も大変な作業になる。
隅田川周辺に暮らすBさん(45)
「個人的には水をくむのが大変。あと、トイレに行くのも大変。普通の人は多分わからないと思うけど、その2つが大変」
Bさんの「トイレに行くのが大変」という言葉の意味を理解できずにいると、Cさんが説明してくれた。
隅田川周辺の公園に暮らすCさん(70)
「(トイレは)あるんだけど、行くのに時間がかかるから、近くないから、暑くて大変」
孤独な暮らしをするホームレスが直面する暑さに、油井さんは危機感を募らせている。
「山友会」副代表 油井和徳さん
「この強烈な日差しと暑さにさらされ徐々に体力と気力が奪われ、夜も暑さで眠ることができません。
また、熱中症の初期症状は自覚しづらいことが多いようなので、気が付かないうちに危険な状態に陥ってしまいます。
そして、ホームレス状態にある方たちは社会的に孤立していることから、危険な状態となっても周囲の人に気が付いてもらいにくいことで、助かる可能性を少なくしてしまうおそれがあると考えられます。
これらのことから、ホームレス状態にある方たちにとってこの『酷暑』は、知らず知らずのうちに、命を失ってしまうおそれのある『サイレントキラー』のようなものであると思います」