能登半島地震から1年。被災地が抱える課題の1つが「人口流出」です。今年を、賑わいを取り戻すための「前向きな年にしたい」と奮闘する新たな取り組みを取材しました。

「元日だけは自宅で…」能登半島地震から1年

輪島市の山崎さん一家。地震から1年を自宅で迎えました。

山崎進さん(75)
「家族みんな元気だったのは本当にありがたい。ただその一言」

ただ、自宅は壊れたまま。壁のあちこちにひびが入り、柱も一時的に補強しただけの状態です。普段は仮設住宅に暮らしていますが、元日だけは家で過ごしたいと集まりました。

山崎恵美さん(43)長男の妻
「当たり前の日常ってこうだったのかなって。子どもらも家に帰ってきて顔の表情も違いますし、これが当たり前の日常として、これからそのままいけばいいんですけど」

生活を一変させた能登半島地震。死者は災害関連死を含めて504人、住宅の被害は約15万棟に上ります。中規模半壊となった山崎さんの自宅。修復して年内には戻ろうとしていた矢先…

9月に起きた記録的な大雨。地震の爪痕が残る能登を濁流が襲いました。

喜入友浩キャスター(去年9月)
「川のすぐ近くに仮設住宅があるんですが、大雨の影響で大木が土砂が流れ込みました」

山崎さんが暮らす仮設住宅は浸水し、自宅に繋がる道路も塞がれました。

山崎恵美さん(去年9月)
「(Q.今後の見通しは)何も期待しない、いつどうなるかわからないし。もう笑うしかないですよ。なぜ能登にこんな1年も経たず」

この2か月後…

喜入友浩キャスター(去年11月)
「清掃のために立ち退かないといけないということで、仮設も閑散としています」

山崎さん一家は引越し作業に追われていました。浸水した仮設住宅を業者が消毒するため、一時退去することになったのです。

家財道具をのせて向かったのは自宅。本格的に家に戻るのは、地震以来です。

山崎進さん(去年11月)
「(Q.久しぶりのご自宅は)なんか懐かしいというか言葉で表せません。慣れ親しんだ家やし、執着があります」

“震災前の日常”を楽しみました。

山崎進さん(去年11月)
「もう最高。生き返った」

元日に集まった山崎さん一家。

山崎結生さん(13)
「楽しいです、たくさん」

山崎恵美さん
「やっぱこれが普通ですよね。こういうのが続けばいいんです」

“自宅で暮らしたい”。被災者は同じ思いを抱えています。