当時は“栄養剤”のように扱われていた覚醒剤
戦時中に覚醒剤チョコは使われていたのか。手掛かりを求めて取材班は東京に向かいました。話を聞いたのは覚醒剤の歴史に詳しい北多摩薬剤師会の平井有会長です。平井会長によると当時、覚醒剤は今では考えられないような使われ方をしていたといいます。
(北多摩薬剤師会 平井有会長)
「ヒロポンということで、これで500錠が入っていた。極端に疲れた場合とか夜間の作業とかいろいろ書かれている。(Q栄養剤のようなもの?)栄養剤、強壮ドリンクみたいな感じにとられてもしょうがなかった」
覚醒剤は危険薬物という認識は無く、市販もされて広く一般で使われていたといいます。実際、当時のチラシには次のように書かれています。
【ヒロポンの当時のチラシ】
「戦時活動への拍車」
「疲労の防止と快復に!」
特攻隊員に覚醒剤チョコを食べさせていたのか、梅田さんが書いた絵を見てもらいました。
(北多摩薬剤師会 平井有会長)
「特攻隊に使われた可能性はありますよね。お菓子と一緒に出した可能性はあるかもしれないけどね。記録はまず残っていないでしょう」
ここでも記録は見つかりませんでした。ただ当時、軍が覚醒剤を使用していたという記録は残っていたことがわかりました。軍と覚醒剤のつながりが浮かび上がってきたのです。