■「77年サイクル」の偶然

しかし、終戦から77年間、日本はこうした戦争を一度も、直接、経験することはありませんでした。
ところが、その終戦までの77年間は、全く違う歴史の歩みがありました。

1868年、明治維新を迎えた日本。富国強兵を掲げ、欧米と軍拡競争を繰り広げながら、日清、日露、第一次大戦、さらに日中戦争、太平洋戦争へと至ります。
そして迎えた終戦。国土は焦土と化したのです。明治維新から終戦までの77年は、まさに「戦争の時代」でした。
それと対照的なのが戦後77年。日本は戦争と直接関わることなく、「平和国家」を掲げ発展、経済大国に成長します。

「戦争の時代」から一転、「戦争なき平和」を享受してきた日本。ところが…
終戦から77年経った今年は、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、中国が台湾に圧力を強めるなど、欧米や日本と中ロとの間で緊張が高まりつつあります。
■ウクライナへ行く若者の動機とは

こうした中、動き出した日本の若者がいます。
沖縄県浦添市出身で大学2年生の知念大虹さん。今年6月、ボランティアとして、ウクライナからの避難民支援のため、隣国ポーランドで活動を行ったのです。

知念大虹さん(19・大学2年生)
「テレビで偶然見かけたウクライナの避難民の中に、目を怪我したという女性の方が写って、その方を見たときに、まさに自分の祖母が70年以上前の沖縄戦で右目を失ったっていうこととすごく重なって見えたんですね。歴史を繰り返すんだなと痛感して…。これはやっぱり他人事じゃない」
これからの時代を担うこうした若者たちは今、どういう思いで戦争を見ているのでしょうか。
若者
「地域の文化や歴史が1回壊されちゃうというか。もし日本で起きたらと考えると怖い」
「どうして武力になっちゃうのかな。行き着く先が武力っていうのは、何か残念というか、悲しいことかなと思います」
「言葉、文字、気持ちを伝える手段を人間はたくさん持っているのに暴力に訴え、頼ってしまうのは絶対あかんことだなと思う」
明日8月15日、日本は「終戦の日」を迎えます。
(サンデーモーニング2022年8月14日放送より)