町のトップが考える小さな地方都市が生き残る道「いまやっていることを徹底してそれを磨いていく」

こうした持続可能なまちづくりを進めてきたことで、2024年4月に「消滅可能性自治体」のリストから脱却。20年以上、町を引っ張ってきたのが町長の竹中貢さんだ。20分ほどのインタビューでこれまでのこと、そして、未来についてこう話してくれた。

竹中貢町長

‐‐‐「消滅可能性自治体」から脱却したことについて。

北海道・上士幌町 竹中貢町長
「消滅可能性自治体のリストに入った2014年から10年たちました。思いっきりこの間に町は変わっている。そういった意味でこの10年間の地方創生の取り組みは、町として成功してきたのではないかと。移住者も若い方が70%を占めている」

‐‐‐SDGsの取り組みが関係しているのか。

北海道・上士幌町 竹中貢町長
「いろいろなまちづくりの総合力が移住者の共感を受けた。人によっては子育てに関心を持っている世代もいるだろうし、自然の中で暮らしたいとか。いろいろな選択肢があるが、そういう総合的な魅力を皆さん移住してきた方に感じてもらったと思います」

‐‐‐未来の上士幌はどうなっていると思うか。

北海道・上士幌町 竹中貢町長
「とにかく今進めていることをしっかり形にして成果をあげる。未来に向けて子どもたちに安心して暮らしてもらう、そういった社会、町をどう繋ぐか。デジタルという新しい技術、これが都市と地方の距離感を縮めたりするので、全国に先駆けて自動運転バスやドローンとかいろいろ実装に動き始めた。そういった意味で企業の方々にも関心を持ってもらえる町、それから安心して暮らせる町に繋がっていって幸せになっていくのではないか、こういうところを目指していきたい。今やっていることを徹底してそれを磨いていくことが、この町の生きる道だと思っています」

6年後の2030年、SDGsは一度ゴールを迎える。その時、上士幌はいったいどんな町になっているのか。またすぐにでも足を運ぼうと思う。

筆者:報道局経済部・田中優衣