“消滅する可能性のあった自治体”は今や“誰もが住みたくなる町”に変貌 「子どもを育てるのにふさわしい場所」
実は2014年、「将来消滅する可能性がある自治体」として指摘された上士幌町。

しかし、今では最先端技術を駆使して町の魅力を発信している。そんな地道な努力を続けた結果、人口減少に歯止めがかかった。若い人を中心に移住者も増加。その背景にあるのが、持続可能なまちづくりに欠かせない「子育てや教育への手厚い支援」だった。

町では2015年8月から、高校卒業までの医療費を全額無料に。さらに、全国に先駆けて2016年4月からは給食費も含むこども園の保育料を無償にした。
他にも、2014年4月から新築などを購入して入居した場合、中学生以下の子どもひとりにつき100万円のマイホーム建設費を補助する「子育て住宅建設助成事業」を開始。
岐阜から移住 上士幌高校3年 高森茉穂さん
「子どもに手厚いことがたくさんあるので、上士幌町が子どもを育てるのにふさわしい場所だと思う」
このように話したのは、岐阜から家族で移住してきた上士幌高校3年生の高森茉穂さんだ。町では、2006年6月より移住を検討している人が実際に町での暮らしを体験できる制度を実施している。高森さんはこの制度を使ったといい、「町はいろいろなことにチャレンジができる。挑戦してみたいと思っている人たちが上士幌に来て未来ある町にしていきたい」と強調した。
また、町おこしの中には雇用を創出する仕組みもある。「地域おこし協力隊」として上士幌町認定こども園ほろんで幼児教育支援コーディネーターとして働く佐近千皓さん(34)。町の手厚い子育て支援に魅力を感じ、2022年、夫婦で横浜から移住してきた。
横浜から移住 佐近千皓さん(34)
「お金の面でのサポートはもちろんあるが、5000人の町で距離が近い。町全体で子どもたちを見守って育てているようなところがすごく手厚いと感じています」
取材時はちょうどお迎えの時間帯。息子2人を迎えに来ていた荒井駆さん(33)も2022年、岐阜から家族で移住。「子どもを育てるのに必要な環境が拡充されていて移住者にも優しい町。ずっと暮らしたい」と笑顔で話してくれた。














