■旧日本陸軍・毒ガス製造工場で作られた「毒ガス弾」は蒜山へ

毒ガス製造工場の存在は隠されていた

広島県竹原市、瀬戸内海に浮かぶ大久野島。現在は、「ウサギと触れ合える島」として多くの観光客が訪れています。

蒜山郷土博物館の前原館長は、この島と蒜山との関りについて調べています。島には戦時中、旧日本陸軍の毒ガス製造工場が置かれ、その存在は隠されていました。

大久野島毒ガス資料館(広島県竹原市)

残された資料などを調査したところ、この島で作られた毒ガス弾を使った実験が、蒜山の演習場で行われていたことが分かってきました。

毒ガスは国際条約では使用禁止の兵器だった

(大久野島から平和と環境を考える会 山内正之代表)
「毒ガスは、国際条約では使用禁止だった兵器でした。兵器にしたものの、発射実験を蒜山でやったという記録が残っている」

島の歴史を語り継ぐ活動を続けている山内正之さん。展示物の中にも蒜山にまつわるものがあるといいます。

(大久野島から平和と環境を考える会 山内正之代表)
「蒜山で、実際に『毒ガスを使う実験用に使われていた服』だろうと。頭の先から足の先までゴムで覆われて防毒面をつけた服装をしないと大変な被害を受けた」

毒ガスから身を守る全身防護服。。。蒜山で使われていたものだと伝えられています。