真庭市の蒜山高原には戦時中、日本最大規模の軍事演習場がありました。長らくその実態は分かっていませんでしたが、近年調査が進み、毒ガス弾を使った実験が行われていたことも明らかになってきました。

演習場の遺構の調査・保存に取り組む1人の研究者を追いました。

■蒜山高原に「薄い紫色の煙がスーッと」

蒜山地区に住む92歳の男性「毒ガスを見た」

(古老の証言)
「特別な演習があってな…時々は毒ガスをやる。毒ガス演習。紫色の薄い霧のようにすーっと…」

蒜山原演習場の調査に取り組む蒜山郷土博物館 前原茂雄館長

(蒜山郷土博物館 前原茂雄館長)
「蒜山に演習に来て、兵隊が最初に何をやるかというと『ガスマスクをつける練習からはじめていた』という証言もある」

■岡山県内屈指の観光地「蒜山地域には戦時中、今とは違う顔があった」

岡山県内屈指の観光地「蒜山高原」
蒜山地域には戦時中、今とは違う顔があった

岡山県北の真庭市、蒜山地域。県内屈指の観光地には、戦時中は今とは違う顔がありました。

前原館長は、この地に残る戦争遺構の調査を進めている

(蒜山郷土博物館 前原茂雄館長)
「いま向かっているのがトーチカです」

蒜山郷土博物館の前原茂雄館長。この地に残る戦争遺構の調査を進めています。

(蒜山郷土博物館 前原茂雄館長)
「『トーチカ』というのは、『コンクリートの陣地』のことを示します。小銃を出すことができる細い穴が空いていたり、このトーチカを守る組、トーチカを攻め取る組に分かれて戦っていました」