「先ほど、松山市内の上空で、何やら聞き慣れない飛行機の音が聞こえたので、フライトレーダー(=飛行機追跡できるアプリ)を確認している。そちらでも見られるか」

あいテレビのベテランカメラマンから、記者のもとに連絡が入ったのは、5月26日の夜9時ごろのことだった。

画面に表示された見慣れない機体

フライトレーダー(正式名称:flightradar24)というアプリ。

航空機が、自らの位置を確認する目的で、GPSなどと合わせて使用する「ADS–B(Automatic Dependent Surveillance Broadcast・放送型自動従属監視)」と呼ばれる電波を受信することで、現在飛行している飛行機の軌跡や速度、さらには高度などの詳細情報を、正確に、リアルタイムで地図上に表示させる機能を持つ。

そこに表示される多くは旅客機などの民間機だ。
だが、この時は違った。

【KC-130Jハーキュリーズ空中給油機 「flightradar24」より】

ロッキードマーチン社製のKC-130Jハーキュリーズ

元々は中型輸送機として開発された機体だが、この機種は空中給油機型のものだ。所属は「United States - Navy」、つまり米海軍の軍用機だった。

飛び立った空港の欄には、嘉手納基地を意味する「DNA」の文字。そして着陸予定の空港欄は「該当なし(Not Applicable)」となっている。